ここでは、医薬品・化粧品・医療機器排水の特徴や処理方法をまとめました。
さまざまな汚濁物質を含んだ排水であるため、適切な処理によって水質を改善しなければいけません。効果的な処理方法に加え、排水の特徴についても見ていきましょう。
ページ下部では、医薬品・化粧品・医療機器に対応できる排水処理設備メーカーを一覧でまとめていますので、合わせて参考にしてください。
医薬品・化粧品・医療機器排水の共通する特徴としては、おもに機器洗浄水であることでしょう。機器洗浄水とは、ビーカーや充てん装置、乳化装置、そのほかの機器を洗浄した水。または、粉体薬品といった粉末製造機器を洗浄した水のことを指します。
排水中に含まれる汚濁物質として、
が挙げられます。
水質汚染のリスクが生じるため、汚濁物質の数値を管理しながら排水を放流する必要があります。医薬品や化粧品、医療機器の各工場では、適切な排水処理施設や処理装置を設け、きちんと処理を行わなければいけません。
効果的な処理方法として挙げられるのは、「液中膜」で固液分離を行う膜分離活性汚泥法。微生物の浄化機能と、膜による固液分離機能を組み合わせることで、きれいな水を生成する方法です。
曝気槽に微細な穴を持つ膜を付け浸し、排水をろ過。直接ろ過を行うことで、安定的にSSや大腸菌類が流出しない処理水が得られます。沈殿槽が不要になるためコンパクトな設備になる、維持管理が容易になるというメリットもある処理方法です。
ほか、生物学的処理、物理的処理など、適切な方法で排水処理を行わなければいけません。どのような処理方法が有効なのかは、専門機関に相談してみるとよいでしょう。
河川や下水放流水の調査では、家庭用薬や処方薬など多様な医薬品などの成分が検出されています。下水処理場には住宅や医療機関、産業施設からの排水が集まり、医薬品成分が下水から河川に流れます。製薬会社や畜産施設の排水は厳しく規制されていますが、これまで規制対象は直接的な毒性を持つ化学物質に限られていました。しかし、最近、薬剤耐性菌の問題が深刻化したため、特に抗菌薬の使用・排出に関する規制が進められています。一方で途上国では規制が不十分なため、抗菌薬が工場から大量に廃棄されていると言われています。これらが環境に及ぼす影響としては、動物の異常行動、薬剤耐性菌の発生などが考えられます。
本設備のクライアントは、化粧品業界において、多岐にわたる商品の開発、生産を行っている企業です。商品の変化及び製造量の増大により、排水処理設備の増強が必要となり、既設処理設備を改造・利用できる膜分離活性汚泥法を採用しました。液中膜と既存設備を最大限利用することで、水槽を増設することなく、従来の2倍の水量を処理できる設備を可能にしました。また、保証システムの利用で、日々のサポートにより、安定した性能を発揮しています。
こちらのクライアントでは、シャンプー、ボディソープ、日焼け止め(UV)を製造しているため、ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類)が多く含まれた排水が流れてきます。採用している電解処理方式排水処理施設では、発生させた電気イオンに汚れを吸着させて排水からエマルジョン化した脂分を分離させ、フロック(集合体)を形成させます。形成したフロックを浮かせ、排水から除去することで脂分を除去した排水を下水道へ流せるようになります。以前は凝集沈殿方式(薬品で有害物質を汚泥にし分離させる方式)で処理を行っていましたが、現在の方式の処理施設に切り替えてから汚泥発生量が7~8割削減できました。
近年では、インフルエンザの流行や新興国でのワクチン接種率上昇により、ワクチン・バイオ製剤の生産量が増加し、微生物やウイルスを含む排水の不活化処理へのニーズが高まっています。しかし、従来のバッチ式不活化方式は装置が大きくエネルギー消費量が多いため、このメーカーでは連続熱式不活化装置を開発しました。この装置は排水をタンクに貯めずに連続的に熱処理することで小型化と省エネルギーを実現。実稼働で得たノウハウを基に装置のユニット化やデータベース化を進め、装置設計に活用しています。また、今後は日本国内へのさらなる展開に取り組むとともに、医薬品市場の伸びが著しい太平洋諸国・アジア地域等をはじめとする新興国等、海外への展開も予定しています(外国特許出願中)。
2023年11月8日時点、Google検索で「排水処理 施設 設計」と検索して表示される全29社のうちから、医薬品・化粧品・医療機器排水への対応が公式HPから確認できた企業を掲載しています。
オルガノは、排水処理施設の設計からアフターメンテナンスまで対応している会社です。さまざまな排水処理システムを取り扱っており、除去物に合わせた提案を行っています。また、排水処理施設や水処理事業における実績も多数あり(※)、幅広い業界に対応しています。
| 所在地 | 東京都江東区新砂1-2-8 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-5635-5100(代表) |
| 公式URL | https://www.organo.co.jp/ |
MBR(膜分離活性汚泥法)を主軸として、排水処理をサポート。食品や半導体・電子など、さまざまな分野に対応できる排水処理施設を提供しています。ほか、地下水や工業用水の飲料化事業も展開しており、エコを実現。水の再利用を促進し、環境を守っている会社です。
| 所在地 | 東京都中央区日本橋本石町1-2-2 三菱ケミカル日本橋ビル |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6848-4220 |
| 公式URL | https://www.mcas.co.jp/ |
水処理施設の設計・施工からメンテナンス、維持管理までトータルサポートを行う「水」のプロ。食品や半導体など、さまざまな分野の水処理施設に対応しています。公共、民間ともに、それぞれニーズに合わせたサービスを提供することで、安心・安全な社会の実現に貢献している会社です。
| 所在地 | 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 34F |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6386-3001(代) |
| 公式URL | https://www.hitachi-hps.co.jp/ |
ダイネックスは、膜分離活性汚泥法や担体流動法など、多種多様な処理方法を提供しています。災害時や排水が増えた時などに短期間で設置できる移動式の膜ユニットも提供しています。また、排水処理施設の設計や施工を自社で担当しているため、時間ロスを減らすことが可能です。
| 所在地 | 長野県飯田市上郷黒田2176 |
|---|---|
| 電話番号 | 0265-23-1122 |
| 公式URL | https://www.dinex.co.jp/ |
環境創研は、水処理分野で多種多様なソリューションを手がけている会社です。排水処理施設の設計・施工やコンサルティング、メンテナンスなどにワンストップで対応しています。また、豊富な機器・設備を取り揃え、工業排水や浄化槽排水などの水質分析も手がけています。
| 所在地 | 滋賀県栗東市小柿9-3-26 |
|---|---|
| 電話番号 | 077-553-0099 |
| 公式URL | https://www.kankyosouken.co.jp/ |
大管工業は、コンパクトサイズの浄化槽や、高度な処理に対応した装置などを手がけている会社です。施設や現場の特性に合わせ、オーダーメイドの施工を行っています。また、排水処理施設のトータルサービスを提供しており、設計からアフターメンテナンスまで広く対応しています。
| 所在地 | 福岡県福岡市中央区平尾3-1-3 ロイヤル薬院ビル6F |
|---|---|
| 電話番号 | 092-522-8406 |
| 公式URL | https://www.daikan-k.com/ |
アクテムは、排水処理施設の設計はもちろん、施工までワンストップで対応しています。豊富なノウハウを持っており、要望に合わせて排水処理施設を設計。排水処理施設の新設はもちろん、増設に関して相談することも可能です。顧客が求める内容に対して、適切な増設プランを提案しています。
| 所在地 | 大阪府大阪市西淀川区野里1-1-8 花川ビル2F |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6475-6677 |
| 公式URL | https://www.actem.co.jp/index.html |
エステムでは、顧客の要望をしっかりヒアリングし、オーダーメイドの排水処理装置を提案しています。排水処理施設の新設だけでなく、既存設備を活用した提案も可能。排水処理施設に関する設計や施工だけでなく、自社でコンサルティングも実施しています。
| 所在地 | 愛知県名古屋市南区弥次ヱ町2-19-1 |
|---|---|
| 電話番号 | 052-611-0611 |
| 公式URL | https://www.stem.co.jp/ |
建築物の水処理施設や排水処理施設の設計・施工をメイン業務としている会社です。設計・施工に加え、機械設備のメンテナンスや簡易水道施設の建設にも注力しており、施工実績も多数。(※)生活を繋げる専門チームとして排水処理サポートを行い、安心・安全な生活を支えています。
| 所在地 | 島根県出雲市灘分町2281-2 |
|---|---|
| 電話番号 | 0853-62-1144 |
| 公式URL | https://hayashisangyou.co.jp/ |
東北藤吉工業は、主に農業集落向けの排水処理施設を得意としている会社です。他者と共同開発した共通仕様の処理装置を提供しています。また、担体流動法を使用した生活排水系の処理装置を手がけているほか、水処理施設の設計や水質分析もワンストップで対応しています。
| 所在地 | 宮城県仙台市若林区蒲町18-1 |
|---|---|
| 電話番号 | 022-286-4431 |
| 公式URL | https://t-fujiyoshi.com/ |
トーブは、排水処理施設の正しい設計や丁寧な施工に努めている会社です。排水処理施設の新設だけでなく、既存の設備のリニューアル工事も自社で手がけています。また、設備に自社のスタッフを常駐させ、いつでもメンテナンスに対応できる体制を整えています。
| 所在地 | 愛知県名古屋市西区あし原町86 |
|---|---|
| 電話番号 | 052-502-8211 |
| 公式URL | https://www.daiki-axis.com/tobu/ |
排水処理を行うおもな方法として採用しているのが、自然の仕組みを利用した「NP式土壌菌浄化法」。処理が難しい厨房排水でも、効果的な処理を可能にしました。排水処理をサポートする装置類を多く展開しているほか、コンサルタントや排水処理施設の保守点検業務も行っているので、安心して依頼できる会社です。
| 所在地 | 埼玉県新座市野寺2-17-4 |
|---|---|
| 電話番号 | 042-471-2030 |
| 公式URL | https://www.nikko-p.jp/ |
アムズは、さまざまな業界で排水処理装置を納入した実績を有しています(※)。水処理事業を広く手がけており、施設の規模や納期に合わせて提案を行っています。また、余剰汚泥が少なく、コンパクト設計が強みのアムズバイオネストシステムも提供しています。
| 所在地 | 石川県金沢市西泉3-92 |
|---|---|
| 電話番号 | 076-241-6181 |
| 公式URL | https://www.e-ams.co.jp/ |
省スペースで処理能力をアップ(増強・増設)できる排水処理施設の設計会社を排水の種類(有機系排水・無機系排水)別にご紹介します。どんな工夫で省スペースでの設計を叶えているのか、ぜひ参考にしてください。
主に食品工場や化学工場から出る炭水化物・タンパク質・脂質などの成分を含む排水
主にガラス製造業、半導体工場などから出る重金属などを含む排水
【選定条件】
2023年11月8日時点、Google検索で「排水処理 施設 設計」と検索して表示される全29社のうち、工場排水に対応していることが確認できるのは19社でした。
そのうち、以下理由で2社を選定しています。
・バチルテクノコーポレーション(有機系排水)…有機系排水への対応が確認できる17社のうち、増設時の「設置スペース不足」課題へ対応する省スペースの排水処理設備を取り扱っているのは2社でした。加えて、新たな設置スペースが不要な設備を取り扱っていることから、より有機系排水処理施設の増設(増強)をしたい企業のニーズにマッチすると判断。
・オルガノ(無機系排水)…無機系排水への対応が確認できる6社のうち、唯一、増設時の「設置スペース不足」課題へ対応する省スペースの排水処理設備を取り扱っているため、無機系排水処理施設の増強(増設)をしたい企業のニーズにマッチすると判断。
日々のトラブルへの対応や部品交換など、設備建設後のメンテナンスを含めて長く付き合っていける信頼のある設計会社を排水の種類(有機系排水・無機系排水)別にご紹介します。排水処理業務のパートナーとなる会社選びへ、ぜひ参考にしてください。
主に食品工場や化学工場から出る、炭水化物・タンパク質・脂質などの成分を含む排水
主にガラス製造業、半導体工場などから出る重金属などを含む排水
【選定条件】
2023年11月8日時点、Google検索で「排水処理 施設 設計」と検索して表示される全29社のうち、工場排水に対応していることが確認できるのは19社でした。
そのうち、以下理由で2社を選定しています。
・森永エンジニアリング(有機系排水)…有機系排水への対応が確認できる13社のうち最も、納入実績が1,500件と多く、信頼性のある企業として選出。
・クボタ(無機系排水)… 無機系排水への対応が確認できる6社のうち最も、創業年数が133年と長く、信頼性のある企業として選出。
※1参照元:森永エンジニアリング公式(https://www.morieng.co.jp/strengths/)2024年1月22日時点