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膜ろ過とは

膜ろ過とは微細な「孔」が空いた膜に通水し、水と異物を分離することをいいます。この膜ろ過は網で水を濾すのと同じ原理であり、粘土や細菌・プランクトンなどといった物質や不溶解性の鉄・マンガンなどを除去することが可能です。このページでは膜ろ過の種類や排水処理における目的、メリット・デメリットなどを紹介します。

膜ろ過の種類

膜ろ過には、孔の大きさによってMF膜(精密ろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)、MF膜(ナノろ過膜)、RO膜(逆浸透膜)の4種類に分別することが可能です。膜ろ過においてはろ過精度に応じて適切な膜を選択する必要があり、膜の孔が小さいほど不純物除去性能は高くなりますが、膜を通過させるために強い圧力をかける必要があり大きなエネルギーを要することになります。

MF膜(精密ろ過膜)

MF膜は「精密ろ過膜」とも呼ばれるものであり、孔の大きさが数十nmから10μm程度の製品があります。孔の大きさが小さいものであれば細菌やバクテリアなどの除去に用いることができますが、ウイルスの一部は除去しきれません。粒子除去や捕捉、細胞培養・分析、ろ過滅菌などに用いられることがあります。

UF膜(限外ろ過膜)

UF膜は「限外ろ過膜」とも呼ばれます。MF膜よりも微細な孔を持つ膜となっており、高分子物質の除去を行うことができます。細菌やウイルス、水の中の濁りを除去することが可能です。ウイルス濃縮やたんぱく質濃縮・核酸精製などに用いられていますが、除去する対象物質はあくまでも粒子となります。若干のイオンも除去することは可能ですが、あまり期待はできません。

NF膜(ナノろ過膜)

NF膜は「ナノろ過膜」とも呼ばれており、UF膜よりもさらに微細な孔を持っています。UF膜が対応するよりも分子量が少ない物質を除去することが可能であり、溶剤や農薬などの除去などに用いることが可能です。RO膜よりは除去性能が落ちますが、UF膜よりは性能がいいため特定物質を抽出するための用途に適しているとされています。

RO膜(逆浸透膜)

RO膜は「逆浸透膜」とも呼ばれており、水に溶け込んでいる物質やイオン、塩類の除去に用いることができます。そのため、排水処理や海水の淡水化などに用いられています。水の純化や脱塩に用いられることが多く、1万分の1ミクロンという極小径の膜であり、水分子以外のほとんどの物質を除去することが可能です。

排水の処理における膜ろ過の目的

ここでいう排水とは工場などにおいて使用された水を外部に排出する行為をいいますが、工場内で使用された水にはさまざまな汚染物質が含まれています。その汚染物質が含まれた状態で放水・排水をしてしまうと環境汚染を引き起こしてしまう恐れがあります。事業者が薬剤や汚染物質などが含まれた水を工場外部に排水する場合、きちんと水を処理してから排出する必要があるため、膜ろ過を用いることになります。また、海水に含まれる塩分を除去して淡水化する際にも膜ろ過を用いることがあります。

膜ろ過のメリット・デメリット

膜ろ過を使用する最大のメリットはその精度にあります。現代の技術においては膜ろ過でなければできないろ過が存在しているため、ある程度の精密なろ過を求める場合には期待する水準のろ過を実現するために膜ろ過を使用します。また、化学薬品を使用せずに水を処理することができるため、環境にも優しいというメリットもあります。

一方のデメリットですが、一定程度のランニングコストを要するという点があります。膜ろ過そのものの技術の高さは解説した通りですが、相応の維持コストが必要となります。前処理として有効なろ過装置を導入するなどするとランニングコストの低減に繋がりますが、その分設備投資が必要になります。また、高圧力のためにエネルギーが必要・目詰まりを起こしやすいなどといったデメリットもあります。

最も適した対応策を検討しよう

水処理にはそれぞれの目的があり、その目的に応じた・適した手段があります。このページで紹介した膜ろ過もそれらの選択肢の一つであり、そのろ過精度の高さが強みであると紹介しました。このサイトではほかにもさまざまな水処理に関する知識や設備などを紹介していますので、さまざまな情報を比較・検討して解決策を見つけてください。

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