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凝集沈殿について

水は世界中の人達の生活に欠かせないものです。水が汚染されてしまえば、人間は生きていけません。そこで、環境にやさしい排水や再利用をするために開発されたのが、凝集沈殿という技術です。

凝集沈殿とは

凝集沈殿法は、水処理における重要な技術であり、水中の懸濁物質やコロイド粒子を効果的に除去する方法です。

凝集剤を添加することで粒子が結合しやすくなり、沈殿して分離されます。この方法は特に廃液中の重金属イオンの除去に有効で、例えば、水中に水酸化物や硫化物を生成させて沈殿させることで分離します。

具体的には、金属塩などの凝集助剤を用いて懸濁物質表面の電気二重層を破壊し、粒子同士の反発力を低減させることで、大きなフロックが形成されます。これにより、フロックは重力によって迅速に沈降し、容易に分離されます。凝集沈殿法は装置が簡便で操作が容易なため、工場や下水処理場で広く使用されています。

しかし、処理後の水に凝集剤が残留する可能性や、多量の汚泥が生成されるという課題も存在します。

使用される凝集剤の種類と使い方

無機凝集剤

一次凝集をおこなうためには、まず無機凝集剤を用いて基礎フロックを作ります。代表的な無機凝集剤にはPAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド、塩化第二鉄があり、多くは液体タイプです。

連続式排水処理装置では、タンクから薬注ポンプで無機凝集剤を吸い上げて水槽に投入します。このとき凝集剤により水のpH値が変動するため、同じ水槽または隣の水槽でpH調整が必要です。中和剤として硫酸や苛性ソーダを使用し、水量に応じて投入量を決定します。

高分子凝集剤

二次凝集では、高分子凝集剤を用いて粗大フロックを形成します。高分子凝集剤には、アニオン系(マイナス電荷)、カチオン系(プラス電荷)、ノニオン系(無電荷)の種類がありますが、一般的にはアニオン系が使用されます。これらの凝集剤はパウダー状で、自動溶解装置を使って溶かし、水に投入して30〜60分攪拌します。とろみのある液体となった高分子凝集剤を薬注ポンプで凝集処理用の水槽に投入します。

粉末一剤型凝集剤

凝集処理では通常、4〜5種類の薬剤を個別に使用しますが、これには各薬剤用の水槽や装置、薬注ポンプが必要で、設置スペースやコスト、メンテナンスの課題があります。これらの課題を解決するために、粉末一剤型凝集剤が利用されます。この凝集剤は一つの薬剤で凝結作用と凝集作用を行い、高分子凝集剤のように溶かす必要がなく、そのまま水槽へ投入できます。これにより、管理が簡単になり、多くの問題が解決されます。

環境への影響

凝集剤は廃水処理に使われる薬品で、適切に使用すれば環境への負荷はほぼ無いと考えられています。しかし、化学薬品のイメージから環境への影響が心配されることが多く、川の生態系への影響は最大限の調査が必要です。

このために魚類毒性試験が行われます。この試験は化学製品を使用して処理した水が、水生生物に与える影響を調べる試験です。さまざまなガイドラインが設けられている試験ですので、環境への負荷を調べることができます。

適切な凝集剤を使用することが重要

凝集沈殿は、排水や水の再利用をより、安全に実施できる技術です。しかし、それを適切に実施するには、処理をする排水に合った凝集剤を使用することが重要になります。装置自体は簡便なものですので、凝集剤の種類をよく検討して、環境への負荷を最低限にするようにしてください。

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